ネパールでは食事は手で食べるのがマナーですが、左手で食べてしまうとマナー違反になってしまいます。
食事と切り離せないお水などの飲み方のマナーも独特です。
私が初めてネパールに行ったときに食事の呼び方とおやつの違いにも驚きました。
ネパール文化を観光前の知識として深めておくとより楽しめますよ。
今回は、食事についてのマナーと食べ物文化や民族的な宗教・風習などのルールについてご紹介します。
ネパールの食事マナーやルール

ネパール代表料理ダルバート
左手は不浄の手とされているので、必ず右手で食べましょう。
左利きで右手でご飯が食べられない人や手で食べるのが嫌な人は、スプーンで食べても大丈夫です。
スプーンやフォークで食べるのは、マナー違反ではないので安心して下さい。
ネパールの代表料理「ダルバート」の食べ方は次の通りです。
ダルバートの食べ方
まず食べる前に手を綺麗に洗います。
プレートのご飯にダルスープをかけて、右手の指先でよく混ぜます。
人差し指から小指までの4本の指で混ぜたご飯を口元までもっていき、親指で口の中に押し出します。
ダルバートは、肉類以外はすべておかわり自由ですが、食べられる分だけもらうのがマナーです。
ペットボトルの飲み物を飲むときにも、マナーはあります。
人が口をつけたものは不浄とされているので、ペットボトルや水差しから直接水を飲むときは、口をつけないのがマナーです。
ネパールでは、お水は回し飲みをするのものなので、口をつけてしまうと他の人が飲めなくなってしまうからです。

口をつけずにどう飲むのかというと水を上から流し水だけを口で受けます。
その代わり、個人のコップにつがれたお水は回し飲みをしないので、口をつけて飲んでも大丈夫です。
ネパール文化の食事とおやつ

バネパのキッチンに立つ母親
ネパールでは、食事のことを「カナ」、おやつのことを「カジャ」といいますが、カナは1日2回朝と夜しか食べません。
また、麺類やパンのようなお米がない食事はすべてカジャ、つまりおやつのカテゴリーになります。
ネパールに初めて訪れた頃、友人が「昨日も今日も忙しくてカナを食べてないんだ」と言ってきました。
さぞかしお腹が空いているだろうと思ったのですが、カジャを食べてきたからお腹は空いてないというんです。
よくよく聞くとヌードルやパンは食べているが、お米は食べていないということでした。
ネパールでは、お米をお腹いっぱい食べる=食事をするということなんですね。
このように、ネパールには「カナ」と「カジャ」の文化があります。
他にも、家族の食事を作るのは母親の役目と決まっていて、母親が病気になった時でも、父親がキッチンにたって食事をつくることはありません。
母親の代わりに子供が作ることになります。
母親は、料理を作って家族にだし、みんなが食べ終わったあとに食べます。
ネパールの宗教上の食事や食べ物

ネパールの水牛
ネパールの主な宗教はヒンズー教です。
牛は神聖なものとして崇拝されているので、ヒンズー教徒は牛肉を食べません。
牛を殺してはダメですし、傷つけてもダメなんです。
その代わりに、「バフ」と呼ばれる水牛の肉を食べます。
水牛は安いので、一般家庭ではよく調理されますが、硬くて独特の匂いがするので、日本人の口には合わないかもしれません。
また、イスラム教徒はもちろんですが、民族によっては宗教上、豚肉を食べない人たちもいます。
ネパールでは、民族によって宗教や習慣が異なります。
そのため、観光で田舎を訪れる際には、その地域に住んでいる民族の宗教や習慣を、少し知っておくといいかもしれませんね。
まとめ
ネパールと日本の食事のマナーや食文化の違いは、元をたどれば宗教の違いからきているような気がします。
外国人なので、食事のルールに関してはそんなに気にしなくてもいいかもしれません。
でも、ネパールの食文化や宗教を理解するなら、ネパールの新たな魅力を発見できるかもしれませんね。